- 2025.06.23
「あった!」 見つけたのは金魚だけじゃない。絵本から広がった、子どもたちのコミュニケーションの輪
子どもたちの「楽しい!」を大切に
大阪府天王寺区のいづる保育園上本町園では、子どもたちの自発的な興味や「やってみたい!」という気持ちを大切に、五感を通じて、豊かな経験と遊ぶちからををはぐくむことを大切にしています。
子どもたちは、心から「楽しい!」と感じる遊びの中でこそ、驚くほどの集中力を発揮し、様々なことを吸収していきます。その中で生まれた発見や感動は、他者と関わる喜びを知り、豊かな心を育むための経験となると考えているからです。
きっかけは給食の「にんじん」
今回は、絵本『きんぎょが にげた』をテーマにした「金魚さがし遊び」の活動をご紹介します。
先日、調理の先生が、子どもたちに人気の絵本にちなんで、にんじんを金魚の形にしてくれました。子どもたちは大喜び。「この経験を、保育の中で楽しい遊びに繋げたい」と、今回の活動を計画しました。
保育者が考えていたこと
・絵本の世界に親しみ、登場する金魚を探す楽しさを味わう
・「あった!」という発見を言葉や指差しで伝え、コミュニケーションを楽しむ
・「どこかな?」と探す遊びを通して、集中力や注意力を養う
活動当日、まずはみんなで絵本『きんぎょが にげた』の読み聞かせを楽しみました。ページをめくるたびに、カーテンの陰や植木鉢の中に隠れる金魚を、子どもたちは真剣な表情で指差します。
そして、場所を広いスタジオに移して「金魚さがし」がスタート!保育者が色画用紙で作った「きんぎょ」のカードをあちこちに隠すと、子どもたちは「どこ、どこ?」と宝探しのように目を輝かせながら探し始めました。
【子どもたちの様子】「あったよ!」の声が響く室内
これまで、自分の好きな遊びにじっくり取り組む「一人遊び」が中心だった子どもたち。
「あったよ!」
さきに見つけた子が指をさすと、ほかの子たちが「どこ?どこ?」と集まってきます。みんなで「いた!」と顔を見合わせてにっこり次々と金魚が見つかるたびに、あちらこちらで「あったよ!」「みつけた!」という声が生まれました。
子どもたちの言葉の成長を感じた活動に。
自分の発見を言葉で伝え、友達の発見を一緒に喜ぶ。そんな自然なコミュニケーションが生まれて、子どもたちの大きな成長を感じました。
この遊びは、さらに素敵な広がりを見せています。絵本で身近になった「おさかな」の存在は、園で飼育しているメダカへの興味にも繋がりました。卵が生まれたことに気づいたり、子どもたちはおさかなの小さな変化に意識を向けるようになりました。
まとめ
このように、給食の「きんぎょ」という小さなきっかけと、一冊の絵本から始まった遊びが、子どもたちの言葉を引き出し、友達と関わる楽しさを教え、さらには生き物へと興味を広げていきました。
いづる保育園上本町園では、これからも子ども一人ひとりの小さな「気づき」や「面白い!」の気持ちに寄り添い、その輝きが豊かな学びと成長に繋がるよう、温かく見守ってまいります。