- 2025.09.12
偶然の発見がひらいた、光と色の幻想世界
この日、お部屋ではマグビルド(おもちゃ)でのお家づくりが盛り上がっていました。
「ここがドアだよ!」「こっちは窓ね!」
小さな建築家たちは、思い思いの建物を組み立て、完成したお家をのぞき込みながらおしゃべりに夢中です。
「中はどうなっているのかな?」
ある職員が、園携帯のライトをマグビルドの中に向けた、その瞬間でした。
「わあ!みてみて!」
一人の子の驚いた声に、みんなの視線が壁に集まります。
ライトの光を通したマグビルドの鮮やかな色が、壁や床、お友だちの顔もカラフルに染め上げていたのです。
一つの偶然の発見は、子どもたちの探究心にまたたく間に火をつけました。
「色を重ねたらどうなるんだろう?」
「こっちの色も試してみよう!」
ライトの前に、代わる代わる違う色のマグビルドをかざしたり、色と色を重ねてみたり。
思い思いに瞳を輝かせながら、目の前で刻々と変化する色の不思議に没頭していました。
「もっと暗いところだったら、どう見えるかな?」
みんなで園の茶室へ移動して、障子を閉め、明かりを消した静かな和の空間は、子どもたちの手によって、あっという間に幻想的な光の空間へと姿を変えました。
暗い茶室に浮かび上がる、色とりどりの光。
壁の書や畳に映り込む鮮やかな影は、明るいお部屋で見るよりもずっとはっきりと、そして美しく見えます。
静かな空間の中で、子どもたちは夢中で目の前の美しさを心に焼き付けているようでした。
子どもたちの「やってみたい」という気持ちと、ほんの少しの偶然。
それが掛け合わさった時、大人が予想もしなかったような、豊かで美しい世界が広がります。
いづる保育園では、そんな子どもたちの「!(ひらめき)」の瞬間を見守り、その気持ちにそっと寄り添うことを大切にしています。